【資料】LGBTのことを子どもたちに教育する際の指針
2008-05-26


”SIECUS:
  Sexuality Information and Education Council of the United States”
 という機関が米国にあります。
 ([URL]) 

 米国におけるセクシュアリティ教育の機関としてはもっとも中心的役割を担っている機関だといってよいと思われます。
 SIECUSでは、十数年以上前から
 ”Guidelines for Comprehensive Sexuality Education”
 というガイドラインを作成し、セクシュアリティ教育についての包括的な指針を示してくれています。
 そのガイドラインの中に「性指向」についての項目、および「ジェンダー・アイデンティティ」についての項目も設けられています。
 子どもの年齢(発達段階)に応じて、各項目について、どのような知識をどのように伝えるのが適当か、その指針を示してくれています。
 子どもたちに、性的マイノリティ(LGBT)についての教育を行おうとする際に非常に参考になると思われるので、以下に訳出したものを載せてみます。
 (※そのまま日本語に訳すと不自然になる箇所は、かなり思い切って意訳したり、平田の解釈によって表現を変換した部分があります。原文と照らし合わせておかしいと思われるところは御指摘いただければありがたいです。)

(※以下は、SIECUSが作成した
 ”Guidelines for Comprehensive Sexuality Education 3rd Edition;
  Kindergarten―12th Grade”
  の一部を訳出(一部改変)したものです。)

 * * * * * * * 

◎まず性指向についてです。

<子どもと性指向(ゲイ、レズビアンのこと)について話をしましょう>
 これまであなたが性指向(ゲイ、レズビアンのこと)について子どもと話した経験があろうとなかろうと、子どもたちは既に色々なところから――友人たちから、マスメディアから、インターネットから――この話題について様々なメッセージを受け取っているはずです。親としてあるいは教育者として、誤ったイメージを払拭し、思い込みを訂正し、偏見・差別を減らすために、あなたはきわめて重要な役割を担っています。人種・民族・宗教・性指向に関わらず、どんな人でも人間として尊重される必要があるという、大事な大事な考えを子どもたちに伝える役目をあなたは担っているのです。
 性指向(ゲイ、レズビアンのこと)についての話を子どもとするとき、以下の「メッセージリスト」が参考になるかもしれません(子どもの年齢に合わせてわかりやすい表現になおして伝えられるとよいでしょう)。

<5歳〜8歳の子どもへのメッセージ>  
●人間は、違う性別の人を愛することもあるし、同じ性別の人を愛することもあります。  
●世の中には、異性愛(ヘテロセクシュアル)の男性や女性がいます。異性愛の人は、違う性別の人に惹かれ違う性別の人に恋愛感情を抱きます。  
●世の中には、同性愛(ホモセクシュアル)の男性や女性がいます。同性愛の人は、同じ性別の人に惹かれ同じ性別の人に恋愛感情を抱きます。  
●「同性愛の男性」や「同性愛の女性」は、「ゲイ」の男性や「レズビアン」の女性と呼ばれることもあります。  
●どんな性別の人に恋愛感情を抱くかに関わらず(性指向に関わらず)どんな人でも、人間として尊重される必要があります。 
●だれかを「ホモ」や「オカマ」と呼んでからかったり馬鹿にすることは、その人を人間として尊重していないし、その人の心を傷つけることになります。

<9歳〜12歳の子どもへのメッセージ>  
●性指向というのは、ある人が、同じ性別の人や違う性別の人に惹かれることをいいます。惹かれるときには、身体的に惹かれたり、感情的・精神的に惹かれたりします。  
●世の中には、両性愛(バイセクシュアル)の男性や女性がいます。バイセクシュアルの人は、どちらの性別の人にも惹かれ、どちらの性別の人にも恋愛感情を抱きます。  
●性指向というのは、私たちの全体を構成する一部分です。  

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[海外の資料(パンフ等)の和訳]

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